IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)は、2026年12月28日以降、ITパスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験のCBT実施を休止すると公表しています。再開時期は2026年秋頃に改めて案内される予定で、この記事を書いている2026年8月上旬の時点ではまだ決まっていません。
つまり、いま学習中のみなさんにとって「2026年内に受け切るかどうか」が現実的な分岐点になります。この記事では、休止の日程と対象、申込を逆算する考え方、バウチャーの注意点、そして休止の先にある2027年度の新制度までを、IPAの公表情報だけをもとに整理します。
いま押さえておく3つの日付
- 2026年9月1日 — 情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験の申込が、12月27日までの開催日しか選べなくなります
- 2026年9月28日 — ITパスポート試験も同じ扱いになります
- 2026年12月27日 — CBT方式での最後の受験日です
3行でわかる要点
- 2026年12月28日以降、3試験のCBT実施が休止します(ITパスポート/情報セキュリティマネジメント/基本情報技術者)。
- 会場によっては12月27日より前に休止する場合があります。「12月27日までは必ず受けられる」わけではありません。
- 再開時期は未定。2026年秋頃にIPAから案内される予定です。
ここから先は、この3点それぞれを詳しく見ていきます。
休止はいつから?対象はどの試験?
休止の対象は、CBT方式(コンピュータ受験)で随時実施されている次の3区分です。
| 試験区分 | 実施方式 | 休止 |
|---|---|---|
| ITパスポート試験 | CBT(随時) | 2026年12月28日以降 |
| 情報セキュリティマネジメント試験 | CBT(随時) | 2026年12月28日以降 |
| 基本情報技術者試験 | CBT(随時) | 2026年12月28日以降 |
いちばん見落とされやすい注意点: IPAは「試験会場によっては2026年12月27日よりも前に試験実施が休止となる場合もあります」と明記しています。CBTは会場ごとに開催日が組まれているため、ご自身が受けたい会場の「最終開催日」は12月27日とは限りません。12月下旬をあてにした計画は、そもそも組めない会場がありえます。
なお、応用情報技術者試験と高度試験・情報処理安全確保支援士試験は、この3試験とは別枠です。2026年度(令和8年度)は前期が2026年11月頃、後期が2027年2月頃に、いずれもCBT方式で実施される予定と公表されています。
なぜ休止するのか — 一度延期されている
理由は試験システムのリプレース(入れ替え)です。ここで押さえておきたいのは、この休止はもともと2026年4月27日以降に予定されていたという点です。システムリプレースが延期されたことで、休止の開始が2026年12月28日以降へと後ろにずれました。
一度延期されている、ということは、再び日程が動く可能性もゼロではないということです。ただしそれは「まだ大丈夫だろう」と構える理由にはなりません。前倒しになる可能性も同じようにあるからです。日程が動いたときに困らない立ち回りは、結局のところ「早めに受けておく」に尽きます。
いつまでに申し込むべきか
「12月ギリギリまで申し込みは控えておこう」と考えるのは危険です。逆算すると、実際に確保すべき期限はもっと手前にあります。
まず、IPAは申込のときに選べる試験日そのものを、9月から絞り込みます。ここは見落とされやすい点です。
| 試験区分 | この日まで | この日から |
|---|---|---|
| 情報セキュリティマネジメント 基本情報技術者 | 2026年8月31日まで 申込日から3か月先の月末まで選べる | 2026年9月1日から 2026年12月27日までの開催日のみ |
| ITパスポート | 2026年9月27日まで 申込日から3か月先まで選べる | 2026年9月28日から 2026年12月27日までの開催日のみ |
つまり9月に入ると、選べる日程の幅が一気に狭まります。残っている枠の取り合いが始まるのはこの時点だと考えてください。
CBTは会場が自前のスケジュールで開催日を設定します。地方の会場や、月に数日しか開催しない会場では、12月の後半に枠が無いことも普通にあります。まず「希望会場の12月の開催日」を確認するところから始めてください。
休止が知られるほど、11月〜12月の枠に受験者が集中します。「空いている日を選べる」というCBTの利点が、この時期だけは効かなくなる可能性があります。
ITパスポート試験には再受験の間隔に関するルールがあります。一発合格を前提に12月へ寄せると、落ちたときの二の矢が無くなります。「1回目は11月まで、予備として12月上旬」くらいの構えが安全です。
- いま〜10月: 学習を仕上げる。同時に、希望会場の12月の開催日を確認しておく。
- 11月まで: ここで1回目を受ける。合格すればこの話は終わりです。
- 12月上旬: 予備日。ここまでに受けきる前提で組む。
- 12月下旬: あてにしない。会場によっては既に休止しています。
バウチャー・受験手数料の注意点
会社や学校からバウチャーチケット(受験券)を配布されている方は、ここを特に確認してください。IPAは次のように案内しています。
つまり「休止するなら期限も延びるだろう」という期待は成り立ちません。手元のバウチャーの有効期限と、12月28日という休止開始日の、早いほうが実質的な締切になります。有効期限が2027年に入っているチケットをお持ちの場合は、再開時期が未定である以上、使えないまま失効するリスクがあることを見込んでおく必要があります。
再開はいつ?現時点でわかること
IPAは再開時期について「2026年秋頃にウェブページでお知らせする予定」としています。2026年8月上旬の現在、具体的な再開日は公表されていません。
ただ、公表されている別の情報と重ねると、見通しの手がかりはあります。2027年度から始まる新試験制度では、ITパスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験は「2027年度春頃」に開始と示されています。休止の理由がシステムリプレースであることを踏まえると、新システムでの再開が新制度の開始と足並みをそろえる、という読み方は自然です。
ただしこれは公表資料からの推測であって、IPAが「2027年度春に再開する」と述べたわけではありません。秋の正式発表を待つ必要があります。この記事も、発表が出しだい更新します。
休止の先にある2027年度の新制度
休止をまたいだ先には、試験制度そのものの大きな再編が控えています。2027年度から、情報処理技術者試験は全8区分に再編される予定です。
| 試験区分 | 扱い | 開始時期(予定) |
|---|---|---|
| ITパスポート試験 | 内容変更 | 2027年度 春頃 |
| 情報セキュリティマネジメント試験 | 一部変更 | 2027年度 春頃 |
| 基本情報技術者試験 | 一部変更 | 2027年度 春頃 |
| データマネジメント試験(仮称) | 新設 | 2027年度 夏〜秋頃 |
| プロフェッショナルデジタルスキル試験(マネジメント) | 新設 | 2027年度 夏〜秋頃 |
| プロフェッショナルデジタルスキル試験(データ・AI) | 新設 | 2027年度 夏〜秋頃 |
| プロフェッショナルデジタルスキル試験(システム) | 新設 | 2027年度 夏〜秋頃 |
| 情報処理安全確保支援士試験 | 一部変更 | 2027年度 夏〜秋頃 |
ITパスポート試験は継続しますが、出題分野が「ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系」から「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」へ再整理され、DXのマインド・スタンス、データマネジメント基礎、AI時代のセキュリティ・倫理が加わります。
一方、応用情報技術者試験と各高度試験(ITストラテジスト、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、エンベデッドシステムスペシャリスト、ITサービスマネージャ、システム監査技術者)は、現行の区分名としては2026年度で終了し、プロフェッショナルデジタルスキル試験へ統合されます。
すでに合格している場合はどうなる? 経過措置と免除
「せっかく取ったのに、制度が変わったら無効になるのでは」という不安をよく見かけます。IPAが公表している範囲では、合格の実績が取り消されることはありません。
ITパスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験は、2027年度以降も試験区分として続きます。現行の制度としては2026年度の実施をもって終了し、2027年度春頃から新しい出題構成に切り替わる、という形です。
- 基本情報技術者試験の科目A免除制度と情報処理安全確保支援士試験の科目A-2免除制度は、2027年度の新制度でも変更を予定していないとIPAが明記しています。
- 応用情報技術者試験と各高度試験は、プロフェッショナルデジタルスキル試験へ統合されます。こちらについては現行の高度試験と同等の免除制度を設けることを検討中とされています。
- あわせて、現行の高度試験または情報処理安全確保支援士試験で一部科目の免除要件を満たしている場合、一定期間、新試験でも一部科目を免除する経過措置が検討されています。
免除制度と経過措置の後半2点は、いずれもIPAの資料で「検討」と書かれている段階です。確定した扱いではありません。正式な発表が出しだい、この記事も更新します。
今年中に受けるか、2027年の新制度を待つか
「12月に間に合わない」と分かった場合も、学習を止める理由にはなりません。ITパスポート試験は新制度でも継続しますし、出題分野の並べ替えはあっても、用語と基礎知識という土台は共通です。むしろ再開直後は、新シラバスに対応した教材が出そろうまでの空白期間ができます。用語を先に固めておいた人が有利になる局面です。
よくある質問
ITパスポート試験はいつまで受けられますか?
CBT方式での最後の受験日は2026年12月27日です。12月28日以降は休止します。ただし会場ごとに最終開催日が違うため、12月27日より前に受けられなくなる会場もあります。
基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験も同じ日程で休止しますか?
休止の日は同じで、3区分そろって2026年12月28日以降に休止します。ただし申込ルールが変わる日は違います。情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験は2026年9月1日から、ITパスポート試験は2026年9月28日から、2026年12月27日までの開催日しか選べなくなります。
休止はいつまで続きますか。再開はいつですか?
2026年8月の時点では決まっていません。IPAは再開時期を2026年秋頃にウェブページで案内する予定としています。2027年度の新制度ではこの3区分が2027年度春頃に開始と示されているため、その時期と重なる可能性はありますが、IPAが再開日として述べたものではありません。
12月27日まで待てば必ず受けられますか?
その前提は危険です。CBTは会場が自前で開催日を設定するため、12月の後半に枠がない会場があります。さらに休止が知られるほど11月から12月の枠に受験者が集中します。11月までに1回目を受け、12月上旬を予備日に残す組み方が安全です。
バウチャーの有効期限は延長されますか?
延長されません。IPAは有効期限を変更しないとしており、期限を過ぎたチケットは使用できません。受験手数料の返還も行われません。手元のバウチャーの有効期限と2026年12月28日の、早いほうが実質の締切になります。
すでに合格しています。2027年度の新制度で無効になりますか?
合格の実績が取り消されることはありません。ITパスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験は2027年度以降も試験区分として続きます。基本情報技術者試験の科目A免除制度と情報処理安全確保支援士試験の科目A-2免除制度についても、IPAは変更を予定していないとしています。
休止のあいだ、勉強はどう進めればいいですか?
用語と基礎知識は新制度でも土台として共通です。出題分野の並べ替えはあっても、そこが無駄になることはありません。再開の直後は新しいシラバスに対応した教材が出そろうまでの空白期間ができるため、先に用語を固めておいた人が有利になります。
まとめ
整理すると、こういうことになります。
- 実質の締切は12月27日ではない。 会場ごとの最終開催日と、バウチャーの有効期限の、早いほうが締切です。
- 11月までに1回目を受ける計画が安全。 12月上旬を予備日に残しておけば、不合格でも打つ手があります。
- 再開は未定。2026年秋の発表待ち。 「少し待てば受けられる」とは、いまの時点では言えません。
制度が動く時期の受験は、実力よりも段取りで差がつきます。まずは、みなさんが受けたい会場の12月の開催日を一度確認してみてください。そこがはっきりすれば、あとは逆算するだけです。
本記事は、IPAから再開時期の発表が出しだい更新します。
・CBT方式で実施するITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験及び基本情報技術者試験における2026年5月以降の試験実施について
https://www.ipa.go.jp/shiken/2026/cbt-202605-jisshi.html
・情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について
https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/henkou/2025/20260331.html
・令和8年度(2026年度)応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の実施予定について
https://www.ipa.go.jp/shiken/2026/ap_koudo_sc_yotei.html
・プレス発表 情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)について
https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20260331.html