テクノロジ系は計算問題23トピックのうち11トピックを占める最大の分野です。稼働率・進数変換・論理演算など、ITの基礎技術に関わる計算が中心となります。
出題頻度「最高」のトピックが8つと多く、ここを押さえるだけで計算問題の得点力が大幅にアップします。
💻 テクノロジ系(11トピック)
#1 稼働率(直列システム)
複数の装置が一本道のように並び、すべての装置が正常に動かなければならない構成です。
全体の稼働率 = 装置Aの稼働率 × 装置Bの稼働率- 稼働率: システムが正常に動作している確率(0.0〜1.0)
解法ステップ
- それぞれの稼働率を小数にする
パーセント表記を小数に変換します。
例: 90% → 0.9 - 数値を掛け合わせる
すべての装置の稼働率を掛けます。
例: 0.9 × 0.8 = 0.72
よくある間違い
- 稼働率を足し算してしまう
確率は掛け合わせることで「同時に起きる」確率になります。足すと1を超えてしまい、確率として成立しません。
試験のポイント
- 直列接続の図は、装置が横に一列に並んでいるものです。
- 計算結果が、個々の装置の稼働率より必ず小さくなることを検算に使えます。
覚え方
『直列は一蓮托生。一人倒れれば、みな倒れる』
『一本道の関所。すべてを通り抜けてこそ、ゴールに届く』
#2 稼働率(並列システム)
複数の装置を「予備」として用意し、どれか一つでも動いていれば稼働し続ける構成です。
全体の稼働率 = 1 - (1 - 稼働率A) × (1 - 稼働率B)- 故障率: システムが故障している確率(稼働率が0.9なら故障率は0.1)
解法ステップ
- それぞれの故障率を求める
1から稼働率を引きます。
例: 稼働率0.9なら 1 - 0.9 = 0.1 - 全滅する確率を出す
故障率を掛け合わせます。
例: 0.1 × 0.1 = 0.01 - 全体(1)から引く
「全滅」以外のケースはすべて稼働しています。
例: 1 - 0.01 = 0.99
よくある間違い
- 単純に稼働率を掛けてしまう
それは「直列(予備なし)」の計算です。 - 最後に1から引くのを忘れる
「全滅する確率」のまま回答してしまっています。
試験のポイント
- 並列接続の図は、装置が上下(並行)に並んでいるものです。
- 計算結果は、個々の装置の稼働率より必ず大きくなります。
覚え方
『並列は、全員が眠りにつく確率を、目覚めの1から引く』
『誰か一人でも立っていれば、システムは生きている』
#3 MTBF・MTTR
故障の間隔(元気な時間)と、修理にかかる時間(寝込んでいる時間)を表す指標です。
稼働率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)- MTBF: 平均故障間隔。壊れずに動いている時間の平均(Mean Time Between Failures)。
- MTTR: 平均修復時間。故障して修理にかかっている時間の平均(Mean Time To Repair)。
解法ステップ
- 全体の時間を出す
MTBFとMTTRを足します。
例: MTBF=900時間、MTTR=100時間なら、合計1000時間 - 元気な時間の割合を出す
MTBF(元気な時間)を全体で割ります。
例: 900 ÷ 1000 = 0.9 (90%)
よくある間違い
- 分母をMTTRだけにしてしまう
MTBF ÷ MTTRだと「元気な時間は修理の何倍か」という比率になってしまいます。 - MTBFとMTTRの言葉の意味が逆になる
FとRの意味を取り違えています。
試験のポイント
- 「稼働率を上げるには?」という問いには、MTBFを大きくするか、MTTRを小さくするかのどちらかを選びます。
- 保守要員を増やす対策はMTTR(修理時間)の短縮に、高品質な部品への交換はMTBF(故障間隔)の延長に繋がります。
覚え方
『元気な時間を、人生の時間で割る。それが稼働率』
『BはBetween(間)、RはRepair(修理)。壊れるまでと、直るまで』
#4 進数変換(2進数⇔10進数)
人間が使う「10進数」と、コンピュータが使う「0と1(2進数)」の数字を互いに書き換える手法です。
10進数 = Σ (各桁の数字 × 2の重み)- 重み: 桁ごとの価値(右から1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128...)
解法ステップ
- 2の重みカードを用意する
右から「1, 2, 4, 8, 16, 32...」と2倍ずつの数字を書いたカードを並べます。
例: 2進数「101101」を考える場合 - ビットが「1」の場所のカードを足す
2進数の「1」が立っている場所の重みだけを合計します。
例: 32(1) + 8(1) + 4(1) + 1(1) = 45
よくある間違い
- 重みのスタートを「0」や「2」にしてしまう
1桁目は $2^0$(1)から始まります。
試験のポイント
- 試験問題の余白に「128 | 64 | 32 | 16 | 8 | 4 | 2 | 1」の表を書いておくと無敵です。
- 偶数の2進数は必ず末尾が「0」、奇数は必ず「1」になります。これだけで選択肢を絞れることがあります。
覚え方
『重みのカード(1, 2, 4, 8...)を足すだけ!2進数は重みの合計。』
『2進数の101(いちまるいち)は5!1010(いちまるいちまる)は10ね!』
#5 進数変換(16進数)
0〜9の数字とA〜Fのアルファベットを使い、2進数を短くすっきり表現する手法です。
16進数1桁 = 2進数4ビット- 16進数文字: 0〜9に続き、A(10), B(11), C(12), D(13), E(14), F(15)を使用
解法ステップ
- 4ビットずつに区切る
2進数を右(下の桁)から4つずつの塊に分けます。
例: 111011 → 0011 / 1011 と分ける(足りない左側は0で埋める) - 塊ごとに16進数へ直す
4ビットの塊をそれぞれ個別に変換します。
例: 0011=3, 1011=11なのでB。合わせて「3B」となる。
よくある間違い
- 2進数を3ビットずつ区切ってしまう
それは8進数のルールです。16進数は必ず4ビットです。 - A(10)から数え間違える
指を折って数える際に、A=11などとズレることがあります。
試験のポイント
- 色コードの問題(#RRGGBB)が出たら、各色が16進数2桁(8ビット)ずつであることを思い出しましょう。
- 「2進数から16進数への変換」は、ITパスポートのテクノロジ系で最も正答率を上げやすい得点源です。
覚え方
『16進1桁、2進の4兄弟(4ビット)ね!』
『A(10), B(11)...最後はF(15)。アルファベットは二桁への架け橋。』
#6 論理演算(AND/OR/XOR)
0と1の組み合わせに対して、「かつ」「または」などのルールで新しい0か1を導き出す計算です。
ビットごとの論理演算(真理値表に基づく)- AND(論理積): 両方が1なら1、それ以外は0(厳しい条件)
- OR(論理和): どちらか一方が1なら1、両方0のときだけ0(優しい条件)
- XOR(排他的論理和): 2つの値が違えば1、同じなら0(仲間外れ探し)
解法ステップ
- 桁(ビット)を縦に並べる
2つの2進数を上下に並べて書きます。
例: 1010 と 1100 を並べる - 指定されたルールを1桁ずつ適用する
ANDなら「両方1かな?」、ORなら「どっちか1かな?」とチェックします。
例: ANDの場合:1桁目は1と1なので1、2桁目は0と1なので0...
よくある間違い
- XORとORを混同してしまう
ORは「両方1」のときも1になりますが、XORは「両方1」だと0(同じだから)になります。
試験のポイント
- 「特定のビットを0にしたい」場合はAND(0を掛けるイメージ)、「1にしたい」場合はOR(1を足すイメージ)が使われます。
- 排他的論理和(XOR)は「同じ値で2回演算すると元に戻る」という性質があり、簡単な暗号化の説明でよく出ます。
覚え方
『ANDは掛け算(1*1=1)、ORは足し算(1+1=1以上は全部1)ね!』
『XORは「不一致で1」!違えば立つ。』
#7 データ転送時間
特定の大きさのデータを、特定の速度の回線で送ったときに「何秒かかるか」を計算します。
転送時間(秒) = データ量(ビット) ÷ (回線速度(bps) × 伝送効率)- データ量: ファイルの大きさ(例:200MB)。計算時はビットに直す必要あり。
- 回線速度: 1秒間に送れるビット数(bps = bits per second)
- 伝送効率: 実際の回線で有効にデータが流れる割合(例:0.8)
解法ステップ
- 「ビット(bit)」に単位を揃える
ファイルの単位「バイト(B)」に8を掛けてビットにします。
例: 100MB × 8 = 800Mビット - 実効速度を計算する
回線速度に伝送効率(%)を掛けます。
例: 100Mbps × 0.5(50%) = 50Mbps - データ量 ÷ 速度 を行う
あとは距離÷速さと同じ要領で割ります。
例: 800Mビット ÷ 50Mbps = 16秒
よくある間違い
- 8倍するのを忘れて計算を進める
通信速度(bps)とファイルサイズ(B)の単位が違うことに気づいていません。 - 伝送効率を掛けるのではなく「割って」しまう
効率は性能を落とす要素なので、本来は速度が小さくなるはずです。
試験のポイント
- 1G(ギガ) = 1,000M(メガ)として計算させる問題が大半です(1,024ではなく)。
- 「転送にかかる時間は?」だけでなく「転送できるデータ量は?」と逆を問われることもありますが、公式の形は同じです。
覚え方
『ビットとバイト、8倍の壁を忘れないでね!』
『メガとギガの1000倍差、ビットとバイトの8倍差ね!』
#8 画像・音声データ量
デジタルデータの容量を計算する方法です。画像は解像度×色深度、音声はサンプリング周波数×量子化ビット数で決まります。
画像サイズ = 横 × 縦 × 色深度 ÷ 8- 解像度: 画像の縦横ピクセル数
- 色深度: 1ピクセルあたりのビット数(24bitカラーなど)
覚え方
『縦×横×色を8で割る!ビットをバイトにするには8で割るよ』
#9 稼働率(複合システム)
直列と並列が組み合わさった、実際のシステムに近い複雑な構成です。
全体の稼働率 = 部分ごとの稼働率を段階的に合成解法ステップ
- 「並列部分」を見つけて塊にする
まずは並列になっている小さなブロックを計算します。
例: 図の中の並列部分が0.99と算出されたら、そこを「一つの0.99の装置」とみなします。 - 全体を一本道の直列として掛ける
書き換えた装置を含めて、端から掛け算します。
例: 0.9(装置1) × 0.99(並列ブロック) = 0.891
よくある間違い
- すべての数値を一度に掛けようとする
並列部分があるため、単純な掛け算だけでは解けません。
試験のポイント
- A ─ (B||C) ─ D のような、真ん中だけ膨らんでいる図が定番です。
- 計算途中の小数を四捨五入しすぎると誤差が出るので、最後まで正確に計算しましょう。
覚え方
『複合は、塊を見つけて、箱(一つの稼働率)に詰めてね!』
『まず並列を解き、一本の道(直列)に書き直してね。』
#10 歩留まり・不良率
投入した原材料や部品のうち、何割が良品になるか(歩留まり)、何割が不良になるか(不良率)を示す指標です。
歩留まり = 良品数 ÷ 投入数 × 100- 良品数: 品質基準を満たした製品の数
- 投入数: 工程に投入した原材料・部品の数
覚え方
『歩留まりは掛け算!工程が増えるほど減っていくよ』
#11 メモリ・アドレス計算
CPUがメモリをアドレス指定できる範囲(アドレス空間)や、必要なアドレスビット数を計算する方法です。
アドレス空間 = 2^アドレスビット数- アドレスビット数: アドレスバスの幅(32bitCPUなら32)
覚え方
『nビットで2のn乗個のアドレスが指定できるよ!』
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