ストラテジ系は9トピック、マネジメント系は3トピックの計12トピックで構成されます。

特に損益分岐点と期待値はストラテジ系で最も出題頻度が高く、クリティカルパスはマネジメント系の最重要トピックです。

📊 ストラテジ系(9トピック)

#12 損益分岐点(販売数量)

最高 基本

売上高と総費用がちょうど等しくなり、利益が「0(ゼロ)」になる地点のことです。

公式損益分岐点販売数量 = 固定費 ÷ 限界利益(単価 - 変動費)
  • 固定費: 売上がゼロでも発生する費用(例:家賃、正社員の給料、設備の減価償却費)
  • 単価: 商品1個あたりの販売価格
  • 変動費: 売上の数に応じて増える費用(例:材料費、商品の仕入れ値、外注費)
損益分岐点グラフ ─ 売上と費用の交差点 販売数量 → 金額(万円)→ 固定費 20万円 総費用 売上高 損益分岐点 500個 赤字 黒字 損益分岐点 = 固定費 20万 ÷ 限界利益 400円 = 500個

解法ステップ

  1. 限界利益を求める
    商品1個を売ったとき、手元にいくら残るかを計算します。
    例: 単価1,000円、変動費600円の場合、1,000 - 600 = 400円
  2. 固定費を限界利益で割る
    莫大な固定費を、1個あたりの手残りで何回返済すれば完済できるか計算します。
    例: 固定費200,000円 ÷ 400円 = 500個

よくある間違い

  • 固定費を販売価格(単価)で直接割ってしまう
    材料費などの変動費を無視しているため、実際よりも少ない販売数で済むと勘違いしてしまいます。

試験のポイント

  • ITパスポートでは「個数」を答えさせる問題が最も多いです。
  • 問題文に「利益がゼロとなる」とあれば、それは損益分岐点を求めるサインです。

覚え方

『固定費という山を、限界利益という一歩で登る。何歩で頂上?』

『ゼロになる点を越えれば、光が見える』

#13 期待値(基本)

最高 基本

将来起こりうる結果(金額など)を、その発生確率で重み付けした平均値のことです。

公式期待値 = 結果1 × 確率1 + 結果2 × 確率2 + ...
  • 確率: 事象が起こる見込み(0.0〜1.0)
デシジョンツリー ─ 期待値で判断する 投資案A 投資額: 100万円 成功 70% 利益 +300万 確率: 0.7 0.7 × 300 = 210 失敗 30% 損失 -50万 確率: 0.3 0.3 × (-50) = -15 期待値 195万 期待値 195万 > 投資額 100万 → 投資OK(期待利益 +95万) もし期待値 < 投資額 なら → 見送りが合理的

解法ステップ

  1. 「金額 × 確率」を計算する
    各パターンごとに掛け算を行います。
    例: 100万円損する確率が10%なら、100 × 0.1 = 10万円
  2. すべてのパターンの結果を足す
    起りうるすべての結果を合算します。
    例: パターンAの結果 + パターンBの結果 ...

よくある間違い

  • 確率を掛けるのを忘れる
    損失額そのままを比較しても、めったに起きないことなら過剰な対策になってしまいます。

試験のポイント

  • 「どちらが合理的か?」と問われたら、期待値が「利益なら大きい方」「コストなら小さい方」を選びます。
  • 「事故が起きる確率2%」などは小数(0.02)に直して計算しましょう。

覚え方

『期待値は、未来を「平均」で見通す眼鏡』

『金額と確率を掛け合わせ、すべての道を足し合わせる』

#14 財務分析指標(収益性・効率性・生産性)

最高 応用

企業の決算書の数字を使い、経営の状態を「利益率」「回転率」「生産性」などの視点で分析する指標群です。

公式各種比率(例:利益率 = 利益 ÷ 売上高 × 100)
  • 売上高営業利益率: 営業利益 ÷ 売上高。本業の稼ぐ力を示す。
  • ROE(自己資本利益率): 当期純利益 ÷ 自己資本。株主のお金をどれだけ効率よく増やしたかを示す。

解法ステップ

  1. 「何に対する何」を求めているか確認する
    指標の名前を分解して、分母と分子を決めます。
    例: 「売上高」「営業利益」「率」→ 営業利益 ÷ 売上高
  2. 対応する数値を決算資料から探す
    損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)の適切な項目を抜き出します。
    例: 自己資本(B/S)と当期純利益(P/L)を組み合わせてROEを出す
  3. 割り算をして、必要なら100を掛ける
    電卓を使えない試験(ITパスポート)のため、手計算で割り算を行います。
    例: 800万 ÷ 4000万 = 0.2 → 20%

よくある間違い

  • 「売上高総利益(粗利)」と「営業利益」を間違える
    営業利益は販管費(経費)を引いた後の、本業の真の実力です。
  • 回転率をパーセントで答えようとする
    回転率は割合ではなく、回数(1年に何回転したか)です。

試験のポイント

  • 労働生産性は、ITを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)の成果としてよく登場します。
  • 在庫回転率が高い=鮮度の良い経営、低い=デッドストック(売れ残り)が多い、という解釈も問われます。

覚え方

『ROEは、王(O:オーナー)から 預かった 益(E:利益)の比率ね!』

『〇〇率と言われたら、〇〇は分母、知りたいものを上に乗せてね!』

#15 損益分岐点(売上高・変動費率)

応用

個数ではなく「いくら売れば黒字になるか」という金額ベースで求める損益分岐点です。

公式損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 - 変動費率)
  • 変動費率: 売上高に対する変動費の割合(例:売上の60%が材料費なら0.6)
  • 限界利益率: 1 - 変動費率。売上のうち利益として残る割合。

解法ステップ

  1. 変動費率を求める
    「売上高 ÷ 変動費」で、売上の何割が変動費に消えているかを出します。
    例: 売上1000万、変動費600万なら 600÷1000 = 0.6
  2. 限界利益率を求める
    1から変動費率を引きます。
    例: 1 - 0.6 = 0.4
  3. 固定費を限界利益率で割る
    金額ベースの損益分岐点を逆算します。
    例: 固定費200万 ÷ 0.4 = 500万円

よくある間違い

  • 分母に「変動費率」をそのまま入れてしまう
    それだと「固定費に対して変動費が何倍か」という謎の計算になってしまいます。

試験のポイント

  • 問題文に「変動費率」や「売上高」という言葉があれば、この公式を疑いましょう。
  • 限界利益率が最初から示されているサービス問題もあります。

覚え方

『分母は「変動費率」そのものじゃない!「1から引いた残り」で割ってね。』

『売上高BEPは、固定費を「利益率」でバック(逆算)ね!』

#16 安全余裕率・損益分岐点比率

基本

現在の売上高が、損益分岐点からどれだけ「離れているか」を測る指標です。

公式安全余裕率(%) = (現在の売上高 - 損益分岐点売上高) ÷ 現在の売上高 × 100
  • 現在の売上高: 実績または予測の総売上高
  • 損益分岐点売上高: 利益が0になる売上高

解法ステップ

  1. 損益分岐点との「差」を求める
    現在の売上から損益分岐点を引き、黒字の「貯金」を計算します。
    例: 売上1000万、分岐点800万なら、差は200万円
  2. 売上高全体に対する割合を出す
    「余裕額 ÷ 売上高」で比率を計算します。
    例: 200万 ÷ 1000万 = 0.2 (20%)

よくある間違い

  • 分母に「損益分岐点売上高」を置いてしまう
    基準となるのはあくまでも「現在の売上高」です。

試験のポイント

  • 「損益分岐点比率」と「安全余裕率」を足すと必ず100%(1.0)になる性質が計算のショートカットに使えます。
  • 不況に強い会社を選ぶ問題では、安全余裕率が高い会社を選びます。

覚え方

『安全な余裕は、「稼いだ貯金(売上-BEP)」の割合ね!』

『二つの比率(安全と分岐)を足せば 100% の完璧な円ね!』

#17 期待値(意思決定・比較)

応用

複数の選択肢から、期待値を使って最も有利な案を選び出す手法です。

公式各案の期待値 = Σ(利益 × 確率) - 投資費用

解法ステップ

  1. 案Aの期待値を出す
    「(成功利益 × 成功確率) + (失敗損失 × 失敗確率)」を計算します。
    例: 成功500万(60%)、失敗-200万(40%)なら、300 - 80 = 220万円
  2. 案Bの期待値を出す
    同様に、もう一つの案の平均成果を出します。
    例: (案Aと同様の手順)
  3. 期待値を比較して決定する
    利益なら大きい方を、コストや損失なら小さい方を選びます。
    例: 案A(220万) vs 案B(200万) → 案Aを採用!

よくある間違い

  • 「成功した時の利益」だけで比べてしまう
    失敗する確率やその時の損失を無視すると、リスクを見誤ります。
  • 投資した「費用(初期コスト)」を引き忘れる
    期待利益が大きくても、それ以上に費用がかかっていたら意味がありません。

試験のポイント

  • ITパスポートでは、2つの投資案や、在庫を多く持つか少なく持つかの比較がよく出ます。
  • 「経済的に合理的」という言葉は、「期待値が最も良い案を選べ」という合図です。

覚え方

『夢(最高利益)を見ずに、期待値(平均の成果)でクールに選んでね!』

『枝分かれは掛け算、最後は足し算。ルートを全部拾ってね!』

#18 ROI・投資回収期間

基本

投じたお金に対して、どれだけの利益が得られたか(ROI)、または何年で元が取れるか(投資回収期間)を測る指標です。

公式ROI(投資利益率) = 利益 ÷ 投資額 × 100
  • 利益: その投資によって得られた(または得られる予定の)純粋な儲け
  • 投資額: 初期費用や開発費など、最初に投入した金額

解法ステップ

  1. 「投資」と「利益」を特定する
    問題文から、最初に払ったお金(投資)と、それによって増えたお金(利益)を抜き出します。
    例: 1000万円投資して、毎年200万円の利益が出る場合
  2. ROIを計算する(効率を見る)
    「利益 ÷ 投資 × 100」で効率(%)を出します。
    例: 200万 ÷ 1000万 × 100 = 20%
  3. 回収期間を計算する(速さを見る)
    「投資 ÷ 利益」で年数を出します。
    例: 1000万 ÷ 200万 = 5年

よくある間違い

  • 分母と分子を逆にしてしまう(投資 ÷ 利益)
    それだと「回収期間」になってしまいます。ROIは利益が分子です。

試験のポイント

  • 複数の投資案を比較して「最も効率的なものはどれか」と問われたら、ROIが最も高いものを選びます。
  • 「何年で投資額を回収できるか」という問いには、単位が「年」になるまで割り算を続けましょう。

覚え方

『ROIは、出したお金(I)に対する、戻り(R)の割合ね!』

『投資回収は「元手 ÷ 毎年の儲け」。何年で貯金が元通り?』

#19 在庫管理(発注点・EOQ)

基本

在庫がいくつになったら発注すべきか(発注点)、一度にいくつ発注すべきか(経済的発注量)を決める方法です。

公式発注点 = 1日の使用量 × 調達リードタイム + 安全在庫
  • 1日の使用量: 1日あたりの平均消費量
  • 調達リードタイム: 発注から届くまでの日数
  • 安全在庫: 需要変動に備える余剰在庫

覚え方

『発注点は「使う量×待ち日数」+安心在庫です』

#20 減価償却

基本

建物や設備などの固定資産の価値を、使用期間にわたって少しずつ費用化していく会計処理です。

公式定額法: 年間償却費 = (取得価額 - 残存価額) ÷ 耐用年数
  • 取得価額: 資産を購入したときの価格
  • 残存価額: 耐用年数経過後の価値(0の場合も多い)
  • 耐用年数: 資産を使用できる期間

覚え方

『定額法は毎年同じ!取得から残存を引いて年数で割るだけです』

📋 マネジメント系(3トピック)

#21 クリティカルパス(PERT)

最高 標準

プロジェクト完了までに必要な最長経路(余裕のない作業の連なり)のことです。

公式最短完了日数 = max(各経路の所要日数)
  • 経路: 開始から終了までの作業の連なり
  • 余裕時間: 最遅開始 - 最早開始(クリティカルパス上は0)
クリティカルパス(PERT図)─ 最長経路を見つける 開始 A: 5日 C: 4日 F: 3日 B: 3日 D: 6日 G: 2日 完了 クリティカルパス(最長経路) 開始 → A(5) → C(4) → F(3) → 完了 = 12日(最短完了日数) 別経路(余裕あり) 開始 → B(3) → D(6) → G(2) → 完了 = 11日(余裕1日=フロート)

覚え方

『クリパスは一番遅いものに合わせる!最長の経路です』

#22 人月(にんげつ)計算

基本

「1人が1ヶ月間働いた時の作業量」を1単位(1人月)として、プロジェクト全体の仕事量を表す考え方です。

公式総工数(人月) = 必要な人数 × 開発期間(ヶ月)
  • 人数: プロジェクトに投入する要員の数
  • 開発期間: 作業を開始してから完了するまでの月数

解法ステップ

  1. 仕事の総量を「人月」で把握する
    まずは人数と期間を掛け合わせます。
    例: 5人で4ヶ月かかる仕事なら、5 × 4 = 20人月の仕事量です。
  2. 条件に合わせて割り算する
    期間を短くしたいなら、総工数を期間で割って人数を出します。
    例: 20人月の仕事を2ヶ月で終わらせたいなら、20 ÷ 2 = 10人必要。

よくある間違い

  • 「あと何人必要か」という問いに、計算した「合計人数」で答えてしまう
    問題文が「追加で必要となる要員数」を求めている場合、現在の人数を引く必要があります。

試験のポイント

  • 「遅延を取り戻すためにあと何人必要か」というパターンが頻出です。
  • 試験では「追加要員による効率低下(ブルックスの法則)」は考慮しないという前提が多いため、単純な割り算で解けます。

覚え方

『人月は長方形。縦に人数、横に月数、面積が仕事量』

『仕事という水を、人数というコップで分ける。何杯必要?』

#23 EVM(アーンドバリュー管理)

基本

「PV・EV・AC」という3つの指標を使い、プロジェクトの進捗とコストを「金額」に換算して客観的に管理する手法です。

公式CV(コスト差異) = EV - AC / SV(スケジュール差異) = EV - PV
  • PV (Planned Value): 現時点までに終わらせる「予定」だった作業の予算額
  • EV (Earned Value): 現時点までに「実際に終わった」作業の予算額。出来高。
  • AC (Actual Cost): 現時点までに「実際に使った」費用の合計
EVM ─ PV / EV / AC の3指標で進捗を見る 時間 → 金額(万円)→ 現時点 PV = 50万 やる予定だった額 EV = 40万 実際に終わった額 AC = 45万 実際に使った額 SV SV = EV - PV = 40 - 50 = -10万 スケジュール遅れ(マイナス=遅延) → 予定より仕事が進んでいない CV = EV - AC = 40 - 45 = -5万 コスト超過(マイナス=赤字) → やった仕事に対してお金を使いすぎ

解法ステップ

  1. 「EV(結果)」を基準にする
    計算の主役は常にEVです。すべての公式でEVを左側(または分子)に置きます。
    例: EV=40万, PV=50万, AC=45万 とする
  2. 予定と比較する(SV/SPI)
    EV(やったこと)から PV(やるはずだったこと)を引きます。
    例: 40 - 50 = -10万円(SV)。マイナスなので遅れています。
  3. 実コストと比較する(CV/CPI)
    EV(やったこと)から AC(払ったお金)を引きます。
    例: 40 - 45 = -5万円(CV)。マイナスなので予算を使いすぎています。

よくある間違い

  • PVとACを直接比較してしまう(PV - AC)
    「予定額」と「支出額」を比べても、作業がどれだけ終わったかが不明なため、進捗の判断には使えません。
  • 差異の引き算の順番を逆にする(AC - EVなど)
    ITパスポートの定義ではEVから引くことで、マイナス=悪い状態、と判断するように決まっています。

試験のポイント

  • 「現状を最も適切に表しているのはどれか」という選択肢問題が頻出です。
  • 用語の頭文字の意味(P:予定, E:出来高, A:実績)を覚えるのが合格への近道です。

覚え方

『EVは王様!引き算でも割り算でも、常にEVが左(上)。』

『C(Cost)はACと、S(Schedule)はPVと比較する。』

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