なぜ「わり算の筆算」でつまずく子が多いのか

小学4年生で学ぶ「わり算の筆算」は、算数の中でもとくにつまずきやすい単元です。理由はシンプルで、手順が多く、しかも他の計算の力をすべて使うからです。

わり算の筆算は「たてる(商を見当づける)→かける→ひく→おろす」を、位ごとにくり返します。たとえば「342 ÷ 19」では、まず「34 は 19 で何回ひけるか」を考え(たてる)、かけて、ひいて、次の位をおろして…と進みます。この一連のループの中に、かけ算・ひき算・くりさがりがぜんぶ詰まっています。

とくに「ひく」のところでくりさがり(借り)が出ると、引き算の筆算と同じ難所がそのまま現れます。手順が多いぶん、どこか一か所でつまずくと答えが合わなくなります。

わり算の筆算でつまずいたままだと、その後の分数・小数・割合の学習にも影響します。けれど教科書のドリルは「正解か不正解か」しか見えず、どの手順で止まっているのかが分かりにくいのが課題です。

つまずきの3つの原因 ── 教育現場からの視点

「どの手順でつまずいているか」を切り分けられると、対策はぐっと立てやすくなります。わり算の筆算でつまずく原因は、大きく3つに分けられます。

1. 「たてる・かける・ひく・おろす」の順序が定着していない
4つの手順をループでくり返すため、途中で順番が分からなくなったり、「おろす」を忘れて止まったりします。手順そのものが多いことが、最初のハードルです。
2. 「たてる(商の見当)」がつかない
「34 の中に 19 はいくつ入るか」を見積もる力が必要です。かけ算の感覚があいまいだと、商を大きく入れすぎたり小さく入れすぎたりして、その後のひき算が合わなくなります。
3. 「ひく」のくりさがり(借り)でつまずく
わり算の途中に出てくる引き算でも、くりさがりは起こります。「借りる」操作の意味が分かっていないと、ここで手が止まります。引き算の筆算と同じ難所が、わり算の中にもひそんでいるのです。

逆に言えば、手順を1つずつ分解して「どこで止まったか」を見える化できれば、その部分だけを集中して練習できます。

3つの学習モードで「つまずきの場所」に合わせる

まなびパレットの「ひっ算チャレンジ(わり算)」は、同じ問題を3つのモードで解けます。理解の段階に合わせてモードを選べるのが特長です。

わり算ひっ算チャレンジのモード選択画面。レベルと、ステップ・くわしく・あたまでの3つのモードボタンが並んでいる。
同じ問題を3つのモードで。理解の段階に合わせて選べる。
📝 ステップモード ── 手順を案内しながら1けたずつ
「たてる→ひく」を位ごとに1けたずつ入力します。盤面の下に「34 ÷ 19 は?」のように、いま考える計算が言葉で示されるので、手順をなぞりながら確実に進められます。はじめの一歩に最適です。
🔍 くわしくモード ── くりさがり(借り)を見える化
わり算の最大の難所「ひく」のくりさがりを、減加法で1ステップずつ可視化します。「となりの くらいから 1 もらおう」→借りた位の数字に斜線が引かれ、減った数が真上に残る→「かりた 10 から ひく」→「のこった数に たす(+1)」と、操作のひとつひとつが画面に残ります。進捗ドットで今どの段階かが分かり、迷ったら「💡こたえをみる」で確認できます。引き算の筆算と同じ丁寧さで、借りの意味から理解できます。
🧠 あたまでモード ── ヒントを消して自分で考える
計算のプロンプトを消し、盤面とカーソルだけで進めます。「次に何を計算するか」を自分で考えるので、手順が定着しているかの確認や、暗算力を鍛える練習になります。くわしく→ステップで理解した後の仕上げにどうぞ。
くわしくモードでわり算の途中の引き算のくりさがりを1ステップずつ可視化した画面。借りた位の数字に斜線が引かれ、減った数が真上に表示されている。
くわしくモード:くりさがり(借り)を1ステップずつ。借りた位に斜線が引かれ、減った数が真上に残る。

「ひっ算チャレンジ(わり算)」とは

まなびパレット内にある無料のブラウザゲームです。インストール不要・会員登録不要で、スマホ・タブレット・PCからすぐに遊べます。

難易度は5レベル。2桁÷1桁の「あまりなし」から始まり、「あまりあり」へと、少しずつ段階的にステップアップできます。各レベルで星を集めると次のレベルが解放される仕組みです。

3つの学習モード
ステップ・くわしく・あたまでを、同じ問題で切り替えられます。理解→反復→仕上げの流れを、1つのゲームの中で作れます。
あまりあり・なしの両方
レベルが上がると「あまり」のある問題も登場します。商とあまりの両方を、筆算の流れの中で確認できます。
タイマー設定
なし / 30秒 / 60秒 / 2分から選択可能。時間制限をつけて集中力を高める使い方もできます。
問題数の選択
5問 / 10問 / 15問 / 20問から選択。すきま時間なら5問、じっくり練習したいときは20問と調整できます。
結果画面と自己ベスト
正答率やコンボなどが表示され、自己ベストも保存されます。「前より解けるようになった!」という成長を実感できます。
→ 遊んでみる

教室・家庭での活用例

個別最適化学習
「この子はあまりありのレベルでつまずいている」と特定し、その段階だけを集中的に練習させます。くわしくモードで借りの仕組みを理解してから、ステップモードで反復──この流れが効果的です。
家庭学習・自学自習
宿題プリントの代わりに「ひっ算チャレンジで10問やってきてね」と指示すれば、自分のペースで進められます。結果画面を保護者に見せる使い方もおすすめです。
特別支援学級での活用
くわしくモードで、借りの操作を1ステップずつ視覚的に確認しながら進めます。斜線で「減った数」が残るので、「借りる」イメージがつかみやすくなります。
朝の学習タイム
タブレットを開いて5問モードで取り組めば、5分程度で完了。朝の短い時間にちょうど良い分量です。
タイマーとの組み合わせ
まなびパレットのタイマーで制限時間を表示しながら取り組めば、タイムトライアル感覚で盛り上がります。

教員・保護者へのアドバイス

子どものわり算の力を伸ばすために、いくつかのポイントを意識してみてください。

まず、「間違えた箇所」ではなく「どの手順までできているか」に注目すること。たてるはできるのにひくで止まるなら、くりさがりに課題があると分かります。

くわしく→ステップ→あたまで の順が効果的です。最初からヒントなしで練習させると、手順を理解しないまま正解・不正解をくり返すだけになりがちです。まず「くわしく」で意味をつかみ、「ステップ」で反復し、「あたまで」で仕上げる流れを作りましょう。

また、「速く解く」より「正確に解く」を優先しましょう。わり算の筆算は手順が多いぶん、ていねいさが先です。

わり算は、かけ算・ひき算の筆算が土台になります。商の見当にはひっ算チャレンジ(かけ算)、借りの理解にはひっ算チャレンジ(ひき算)もあわせて使うと、つまずきの根もとから整えられます。

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